マウスピース矯正の4つのデメリットとは
最近とくに注目が高まっているマウスピース矯正ですが、いざ試してみようと思っていてもデメリットが気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、インビザラインと呼ばれるマウスピース矯正のデメリットをご紹介します。
マウスピース矯正のデメリット
マウスピース矯正のデメリットには大きく以下の4つが挙げられます。
- 1.装着時間
- 2.臼歯(奥歯)が噛み合わないことがある
- 3.歯槽骨から歯根が出る(歯茎が下がる)ことがある
- 4.難しい症例が苦手(担当ドクターの腕による)
このようにいくつかのデメリットが挙げられますが、詳細を確認してみましょう。
装着時間
マウスピース矯正で矯正をしていると、食事や歯磨き以外の時間は基本的にマウスピースを装着して生活をする必要があります。
マウスピースの取り外しは自由ですが、マウスピースを外したままだと、矯正ができていないのと同じです。いわゆる矯正効果がありません。そのため、1日のうち20時間以上はマウスピースを付けておかないといけないので不便に感じる方もいるでしょう。
しかし、口の中に矯正ワイヤー等がない状態で気持ちよく自分の歯できちんと食事ができること、何かあった時のトラブル時にマウスピースを取り外しできるため、便利でメンテナンスもしやすいのがマウスピース矯正のメリットでもあります。
臼歯(奥歯)が嚙み合わないことがある
この現象はワイヤー矯正の際も起こり、マウスピース矯正に限ったことではありませんが、実は矯正が終わってから奥歯が噛み合わなくなるという可能性があります。
他院で矯正治療をされた患者様で「奥歯が噛み合わなくなった」とご相談に来られる患者様もたくさんいらっしゃいます。
しかし、噛み合わなくなってしまった原因をしっかりと把握し、原因に合った対処をすることで理想的なかみ合わせに整えることが可能です。
例えば、マウスピース矯正をしているとマウスピースの厚み分が奥歯に先に当たってしまいます。その際奥歯にのみ力がかかり、奥歯が沈んでいってしまうのです。
結果、マウスピースを外してみると、奥歯がしっかり噛んでいない状態になってしまう場合があります。
この場合には、常に奥歯にかかっている沈み込みの力を減らせばいいわけです。マウスピースの装着時間を減らしたり、強く当たる部分を薄くしたりカットしたりします。
また、マウスピース装着の際に噛んではめている場合や毎日の取り外しが多い場合などはマウスピースがゆがむ原因になります。難しい症例の場合などでも歯とマウスピースの形が一部(奥歯)が合わなくなることで、奥歯が噛み合わなくなることもあります。
前歯があたっていて奥歯が噛み合わないという場合もありますが、いずれにしても治療経過をしっかりと観察し、その状況ごとに調整し直すことで嚙み合わせは整います。
歯槽骨から歯根が出る(歯茎が下がる)ことがある
歯は歯槽骨によって支えられています(根っこの部分が骨に埋まっています)。力をかけた方向に歯を動かすために、歯槽骨は少しずつ破壊と再生を繰り返し歯を動かします。この原理により矯正を行っています。
つまり力が加わった歯は、歯槽骨の中央部分から骨の少ない端へ動かすことが可能なのです。矯正治療によって歯列の位置、歯の位置を歯槽骨の厚い部分から移動させる必要がある場合は多々あります。歯槽骨の端まで歯が移動すれば歯根が出る(=歯茎が下がる)ケースもあります。もちろん元から歯槽骨の幅が薄い場合も矯正前よりも歯茎が下がり歯根が露出する可能性があります。
ただ、患者様の希望を伺い治療計画の段階で、「希望通りにここまで動かすと歯茎が下がる場合がある」等の事前説明が必ずあるはずです。
歯茎が下がるのは絶対に避けたい場合は、その旨を伝え、歯の移動距離や骨の太さをきちんと診断した上で治療を開始してもらえれば心配はいりません。
難しい症例が苦手(担当医の腕による)
マウスピース矯正は常に医学的に進化し続けています。ワイヤー矯正と違って、マウスピース矯正では対応が難しいケースもあります。
そのため、マウスピースと一部ワイヤーを使って矯正治療を行っていく場合もあります。マウスピース矯正は手軽な矯正のイメージがありますが、すべての症例に対応できる矯正ではないと知っておきましょう。
マウスピース矯正では治療が困難な症例
それではどのような症例の場合にマウスピース矯正が難しいのでしょうか。基本的には以下3つの症例です。
- 1.出っ歯や受け口がひどい方(骨切りを伴う方等)
- 2.マウスピース装着時間を自身でコントロールできない方
- 3.重度の叢生(そうせい)の方(担当医による)
人によって例外もありますので、詳しくは歯科医院にてご相談ください。
出っ歯や受け口がひどい方(骨格的な問題により外科処置を伴う方など)
出っ歯は上の歯が前方に飛び出していて、受け口は下の歯が上の歯よりも前に出ている反対咬合の状態をいいます。出っ歯や受け口が重度の場合は、骨格的な問題を検討し、骨格を治す必要がある場合は、矯正治療と並行して外科手術を行いあごの位置を正常にする必要があります。その場合は、取り外しが可能なマウスピース矯正ではなくワイヤー矯正でしっかりと固定する必要があります。
しかし、出っ歯や受け口が軽度な場合はマウスピース矯正が適応される場合もあるので、まずは歯医者さんに相談してみましょう。
マウスピース装着時間を自身でコントロールできない方
マウスピース矯正は、マウスピースを装着することによって歯の移動を行うため、マウスピースを外していては意味がありません。歯を動かすために必要な時間しっかりと装着できなければ歯は動かず矯正治療を計画通りにすすめることはできません。
外したままにしてしまう、飽きっぽくて続けられない方などは、せっかく高いお金を払ったのに歯は動かないという悲しい結果に終わってしまう可能性があります。そのような場合は、自身で取り外しができるマウスピース矯正よりも、自身では外せないワイヤー矯正の方が向いているかもしれません。
重度の叢生(そうせい)の方
歯がガタガタになっている状態を叢生(そうせい)と呼びます。あごのスペース不足や歯が大きいこと等が原因で、歯が重なってしまう状態です。
この叢生が重度の方の場合は、マウスピース矯正では難しいケースもありますが、これは担当する歯科医師の腕によるところも大きくなります。
矯正治療が困難な症例
マウスピース矯正、ワイヤー矯正関係なく、矯正治療自体が難しい症例もあります。基本的には以下2つの症例です。
- 1.歯周病がひどい方
- 2.ほとんどの歯がインプラントの方
こちらは一例ですので、患者様のお口の状態によっても変わってきます。詳しくは歯科医院にてご相談ください。
歯周病がひどい方
歯周病は、細菌が歯と歯茎の隙間に入り込み炎症が起こることをいいます。
歯周病は症状にもよるのですが、症状が重い状態(歯の動揺が激しい・骨が残っていない等)では矯正治療が難しいとされています。しかし、軽度であれば治療できるためまずは歯医者さんで相談してみてください。
歯周病が進行している場合は、兎にも角にも歯周病の治療をしなければなりません。歯周病治療後に矯正をした場合も、矯正している時はとくに歯周病になりやすい環境になっているため、セルフケアをしっかりと行うようにしましょう。
ほとんどの歯がインプラントの方
インプラントとは、失った歯の代わりに人工の歯根を埋め込んでいる治療をいいます。矯正をすると、歯根膜と呼ばれる歯の周りにある膜を使って歯を少しずつ移動させます。
インプラントの歯は、歯根膜がなく歯が動かないので、ほとんどの歯が動かないインプラントの場合は、矯正ができないのです。ただ、インプラントをしている位置や本数によっては、その他の歯を動かすことで矯正は可能です。
矯正治療を希望される場合は、ご自身のお口の中の状態をまずは歯医者さんに診てもらい相談してみましょう。
マウスピース矯正とワイヤー矯正の併用
マウスピース矯正で治療が難しい場合でも、ワイヤー矯正と併用すると治療できる幅がグッと広がります。
マウスピース矯正は歯を平行に移動するのが得意ではないので、最初のうちはワイヤー矯正である程度まで矯正します。そのあとに仕上げでマウスピース矯正を使う方法も可能です。
他にも、ワイヤー矯正の一部のみを使用する方法もあるので、2つを併用することで色んな方の理想を叶えるための矯正の仕方が見つかるでしょう。
マウスピース矯正のデメリットをふまえて検討してみよう
今回は、マウスピース矯正のデメリットをご紹介しました。
中には困難な症例もあるかもしれませんが、一人一人お口の状態は違います。
マウスピース矯正が難しいからといって諦めるのは早いです。マウスピース矯正とワイヤー矯正を併用すると治療できる可能性があるのでドクターと一緒に解決していきましょう。
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