大人の矯正治療と保定にかかる期間の目安

矯正治療は歯の凸凹やすき間を減らして美しい口元や表情を手に入れられるほか、口の中の常在菌が歯垢や食べかすに混じって歯と歯の間に溜まるのを防ぐ効果が期待できます。歯ブラシが歯の1本1本に届きやすくなり、歯磨きケアが楽しくなるメリットも。

歯並びを理想的なバランスに整えると口が閉じやすくなり、口の開けっ放し予防や乾燥対策、病気の予防にも役立ちます。治療に年齢制限はないため、大人の方でもすぐに受けていただくことが可能です。

現在治療を検討中の方は、費用のほかに治療期間も気になるところではないでしょうか。本記事では矯正治療を「矯正治療期間」と「保定期間」に分け、それぞれの期間の目安を紹介します。ぜひ参考にしてください。

歯列矯正期間の種類

大人の歯科矯正は「矯正治療期間」と「保定期間」に分けられます。歯を動かしていくのが矯正治療期間であり、それらが終わると歯を移動先に固定するための保定期間となります。

矯正治療期間

大人の矯正治療にかかる期間は、2年から3年が大まかな目安とされています。ただし患者さんの状況に応じて前後するため、必ず2～3年かかるというわけではありません。

部分矯正（インビザラインGO等）では4ヶ月～可能な場合もあります。

大人の歯はしっかりと生え揃った永久歯のため、移動に時間がかかります。しかし治療期間が短ければ良いというわけではなく、適切な力でじっくりと正しい方法で矯正をかけていくことが、その後の経過や審美性を左右します。

マウスピース矯正については、取り外している期間が長いほど矯正効果が薄れてしまうため、付け忘れに注意が必要です。

保定期間

大人の歯科矯正では、矯正治療期間のあとに「保定期間」が始まります。矯正治療が終わってからしばらくの間は、歯肉や骨が移動後の位置になじんでいないために、歯並びが「後戻り」を起こすおそれがあります。

そこで、リテーナーと呼ばれる専用の器具を使い、口の中を移動後の状態に保ちます。リテーナーはワイヤー矯正のような取り替えの必要はありませんが、歯と歯肉を固定するもののため、保定期間を終えるまで取り外しはできません。（マウスピースタイプのリテーナーはご自身で取り外しが可能です。）

リテーナーには大きく分けてワイヤー・プレート・マウスピースのタイプに分けられ、歯科医院によって取り扱っている製品が異なります。自然な見た目を求める方は目立ちにくいマウスピースや歯の裏側固定タイプなどを選ぶと良いでしょう。

なぜ矯正治療に時間がかかるのか

大人の矯正治療は小児矯正に比べて時間がかかります。大人のあごの骨はすでに固く成長しており、組織が簡単に動かせなくなっています。すでに完成した状態から少しずつ組織を移動させるため、矯正治療と保定期間をすべて終えるには、2年から3年程度の期間がかかります。

また、歯と歯がお互いに引っ張り合って奥の歯が出てきたり、予想していなかった歯が傾いてきたりといった動きが生じると、バランスをとりながら矯正をしていかなければなりません。

歯と歯の下にある歯槽骨の間には膜が存在し、この膜が圧迫または牽引されると骨芽細胞や破骨細胞が変化していきます。これらの骨の変化を「リモデリング」と呼びますが、矯正治療はただ歯を動かすだけではなく、歯を支える骨のリモデリングも促していくため、時間がかかってしまうのです。

一方、部分矯正は歯の一部分を対象としているため、動かす量にもよりますが動かす方向が定まればだいたい1年程度で治療を終えられます。

前述したインビザラインGO（マウスピース部分矯正）では4ヶ月～可能な場合もありますので、ご興味のある方は取扱いのある歯科医院にご相談ください。

最適な矯正方法を選択して歯並びを整える

いかがでしたか？大人の矯正治療は部分矯正でもおおよそ1年程度の期間がかかりますが、少しずつ確実に表情や歯並びが変化していくため、見た目の変化を実感できる治療です。

ノア歯科クリニックでは、一人ひとりに合った矯正治療と治療計画を提案しています。インビザラインやインビザラインGOも症例数が多く熟練の歯科医師が行っておりますので、歯並びについてお悩みの方はぜひご相談ください。

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